Q1
求人票の記載内容は、直ちに労働契約の内容になるの?
求人票に書いてある記載は、求人者が行う申込の誘引にすぎないとされています。直ちに労働契約になることはなく、労働契約を結ぶときに改めて労働契約通知書で確認することが重要です。
裁判例の中には「公共安定所の紹介により成立した労働契約の内容は、当事者間において求人記載の労働条件を明確に変更しこれと異なる合意をする特段の事情がない限り、求人記載の労働条件を定めたものとしてかいするべきある」としたものもあります。(昭 58 10.千代田工業事件、大阪地裁)
法律で義務付けられている労働条件明示義務事項
- 労働契約の期間に関する事項
- 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
- 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
- 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに就業時転換に関する事項
- 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
- 退職に関する事項
会社に入社したら、労働条件や就業規則を確認することが必要です。あとで「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、労働契約を結ぶときには、労働条件を確認することが重要です。
もし、明示された労働条件と相違する場合は、労働者はその契約を即時に解除することができるとしています(労働基準法第15条第2項)。
Q2
新規採用を予定していた学生を経営環境の悪化したため、一定の保証をしたうえで内定辞退したいと思うのですが法的に問題?
- 採⽤内定の法的性格は、始期付解約権留保付労働契約です。
- 採⽤内定取消しは、客観的に合理的で社会通念上相当な場合に 限られ、新規学卒者の採⽤内定取消しは届け出なければなりません。
- 採⽤内定者からの⼊社辞退は、採⽤内定取消しに該当すること があります。
1 採用内定の法的性格
判例は、始期付解約権留保付労働契約が成⽴したと 解しています(⼤⽇本印刷事件/最⾼裁第2⼩法廷判決・昭54・7・20、 電電公社近畿電通局事件/最⾼裁第2法廷判決・昭55・5・30)。
2 採用内定の取消し
裁判例の中には「公共安定所の紹介により成立した労働契約の内容は、当事者間において求人記載の労働条件を明確に変更しこれと異なる合意をする特段の事情がない限り、求人記載の労働条件を定めたものとしてかいするべきある」としたものもあります。(昭 58 10.千代田工業事件、大阪地裁)
2 採用内定の取消し
採⽤内定の法的性格について前記のようにとらえる判例の⽴場は、採⽤内定の取消し事由について、「解約権留保の趣旨、⽬的に照らして、客観的に合理的な理由が存在し社会通念上相当として是認することができる場合にのみ許される」と厳しい判断基準を⽰しています。
例えば、採⽤内定の取消し事由として認められる場合は、採⽤内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、従業員として重⼤な不適格性が判明したこと等であるとされています。
⼈員整理を考えなければならないような深刻な状況でのみ採⽤内定取消しが認められるものと考えられます。
- 採用内定の事実関係
- 内定取消しを実施しなければならない理由
- 内定取消しの回避のために検討された事項
- 内定取消しに関する学生生徒への説明状況
- 内定取消しの対象となる学生生徒に対する支援内容
- 前年度における採用内定取消しの状況
内定取消し対象者への説明状況および⽀援内容等を記載する様式(様式19)に従って、ハローワークおよび学校⻑への届け出が義務づけられました
採⽤内定取消しを⾏った企業について、厚⽣労働⼤⾂が 定める場合に該当する(2年以上連続して⾏われたもの・同⼀年度内 に10名以上に⾏われたもの・各種指標から事業活動の縮⼩を余儀なく されているとは認められないもの等)場合には、厚⽣労働⼤⾂はその 企業名を公表することが定められました
3 自発的な内定辞退
自発的に内定を促し内定者の意志によって入社辞退した場合は、合意退職に類似したものと考えられると言われていますが、必要に入社辞退をさせたり、内定者が同意できないような労働条件に変更したことによって内定を辞退した場合は、辞退が任意に行われたとはいえないので、採用内定取り消しになることもあります。
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000775082.pdf
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