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労働基準法 育児時間に関する労務管理ガイド

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育児時間
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 労働基準法 育児時間に関する労務管理は、企業における重要な課題の一つです。育児時間制度を正しく理解し、適切に運用することは、従業員の働きやすさや生産性向上につながります。本記事では、育児時間に関連する重要なポイントを解説します。

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1. 労働基準法の育児時間制度とは

労働基準法第67条に規定されている「育児時間」とは、生後1年未満の子供を持つ女性労働者が、授乳や子育てのために取得できる時間です。この制度は、母性保護と授乳の機会確保を目的としており、労働基準法第34条で定められている休憩時間のほかに、1日2回、それぞれ30分の育児時間を取得することができます。

(育児時間)

第六十七条 生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる。

 使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない。

出典:e-Govポータル (https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049

1-1. 育児時間の使用方法

 育児時間は、授乳だけでなく子育てに必要な様々な用途に使用することができます。送迎や世話、餌付けなども含まれるため、労働者に自由な使い方が認められています。

1-2. 育児時間の申請と拒否について

労働基準法では、事業主や使用者は育児時間の申請を拒否することができません。申請があった場合は必ず育児時間を付与しなければならず、拒否した場合には罰則が科せられる可能性があります。従いまして、育児時間の申請には適切な対応が求められます。

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2. 育児時間に関する労務管理上のポイント

2-1. 育児時間取得の対象者

 育児時間の制度は、雇用形態に関わらず満1歳未満の子供を育てる女性労働者が対象となります。ただし、育児時間は授乳以外の世話も含まれており、男性労働者も含めるべきという主張もあります。

2-2. 育児時間の給与について

 育児時間は無給とされることが一般的ですが、就業規則で定めることにより有給とすることもできます。

 育児時間の給与扱いについては、多くの企業では無給とされています。労働基準法には育児時間の賃金に関する明確な規定がないため、この時間に対する給与支払いは企業の裁量に委ねられています。

3. 育児時間の計算方法

 育児時間は勤務時間に応じて決まります。8時間以上勤務する場合は、原則として1日に2回、各30分、合計1時間の育児時間が認められます。

   3-1. 育児のための往復時間も含める

育児時間には授乳だけでなく、子育てに必要な往復時間も含まれるため、その点も考慮して計算する必要があります。

 例えば、通勤時間や交通事情、子供の通う施設や施設までの距離などが影響を与えます。

3-2休憩時間との違い 

 休憩時間との違いは、育児時間を取得するには、請求する必要があることと、労働時間の途中でなく最初と最後に与えても良いことです。

 例えば、始業時刻を遅くしたり、終業時刻を早めたりすることが出来ます。

 それに対して休憩時間は、労働時間の途中に与える必要があり。労働時間の始業と就業と繋げることができないことに注意が必要です。

4. 雇用形態や勤務時間が異なる場合の育児時間

異なる雇用形態や勤務時間を持つ労働者においても、育児時間の取得は認められています。

4-1. パートタイム労働者

 パートタイム労働者も通常の労働者と同じように育児時間を申請できます。

 1日の労働時間が4時間未満の労働者に対しては、1日1回30分の育児時間で足りるとされています。

(昭26.1.9基収8998号)

4-2. 変形労働時間制の労働者

 変形労働時間制の労働者は柔軟な勤務時間を持つため、育児時間の取得も幅広く考えることができます。

 変形労働時間制度を導入した場合、育児時間の取り方が通常の労働時間と比べて柔軟になることがあります。変形労働時間制度は、従業員が自身の都合に合わせて勤務時間を設定できる制度であり、これによって育児時間の取得方法にも影響を与える可能性があります。

 例えば、通常の固定された始業時間や終業時間がないため、早朝や深夜などの自由な時間帯に育児時間を取得することができる可能性があります。これによって、従業員が自身のライフスタイルや子育てのスケジュールに合わせて柔軟に育児時間を確保することができます。

ただし、具体的な取り決めや運用方法は企業や雇用主によって異なるため、変形労働時間制度を導入した場合における育児時間の取り方については、企業の就業規則や労働契約書などを事前に確認することが重要です。

労働基準法 育児時間
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具体例で理解する育児時間

 例:A社の山田さんは、1歳未満の子を持つ正社員です。彼女の一日の勤務は8時間で、通常の昼休憩が1時間あります。山田さんは育児時間として、午前10時から10時30分と、午後3時から3時30分の合計1時間を利用しています。この時間を使い、山田さんは授乳や子どもの送迎などを行っています。

5.労務管理上のポイント

 育児時間の取得は、労働者の請求によります。育児時間の請求に対して、雇用主は拒否することはできません。男性従業員への育児時間の提供は、法律上必須ではありませんが、企業によっては男性従業員も育児時間を取得できるようにしています。

 6.罰則

 育児時間を与えなかった場合、労働基準法には罰則が規定されています。労働基準法第119条1号によると、育児時間の申請があったにも関わらず、使用者が育児時間を与えなかった場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

 このような罰則が設けられていることからも、労働基準法における育児時間の重要性と、従業員に対する適切な配慮が求められていることが理解されます。企業や雇用主は、育児時間の取得を拒否することでこのような罰則に触れないよう、法令を遵守し、従業員の権利を尊重することが重要です。

7. まとめ

 育児時間制度は、満1歳未満の子供を持つ母親が働きながら子育てを行うための制度であり、正しく理解し適切に運用することが重要です。労働基準法に基づき適切な対応を行うことで、企業環境の整備や従業員への配慮が可能となります。是非ご参考にしていただき、より良い職場環境を実現してください。

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